「実家じまい」は何から始める?滋賀での進め方の順番と、どこに何を頼むか【2026年9月時点】

「親が施設に入り、実家が空いたままになっている。そろそろ"実家じまい"をしないといけないと思うのですが、何から手をつければいいのか分かりません」——滋賀で実家のご相談をうかがっていると、この段階で止まってしまっている、というお話をたびたびうかがいます(当社でお受けしたご相談内容をもとに再構成した一般的な例です)。「実家じまい」という言葉には、片付け・名義・売却(または解体・活用)という、性質のまったく違う作業が混ざっています。しかも、頼む先がそれぞれ別です。だから「何から」が分からなくなります。この記事では、①実家じまいに含まれる3つのかたまり、②取りかかる順番と、順番を間違えたときに起きやすいこと、③どこに何を頼むのかの振り分け、④滋賀で最初に使える公的な窓口、を整理します。
目次
「実家じまい」に含まれる3つのかたまり
| かたまり | 中身 | 主な相談先 |
|---|---|---|
| ① 人と名義 | 相続人の確定、遺言の確認、遺産分割、相続登記 | 司法書士・法務局(登記)、弁護士(もめている場合)、税理士(相続税) |
| ② 物 | 家財・遺品の整理、廃棄、形見分け、重要書類の捜索 | 市町村の廃棄物担当課、許可を受けた事業者、遺品整理事業者 |
| ③ 建物と土地の出口 | 売る・貸す・残して管理する・解体する・手放す | 宅地建物取引業者、解体工事業者、市町村の空き家担当課 |
順番の基本 — ①人と名義 → ②物 → ③出口
まず「誰のものか」をはっきりさせる
実家を売る・貸す・解体するといった判断は、原則としてその不動産の所有者(相続後は相続人)が行うことになります。相続人が複数いる場合は、遺産分割が済むまでは相続人全員の合意が必要になるのが一般的です(個別の可否は司法書士・弁護士にご確認ください)。ですから、実家じまいの入口は片付けではなく、相続人が誰か、遺言があるか、名義はどうなっているかの確認です。
名義については、2024年(令和6年)4月1日から相続登記の申請が義務化されています。法務省は「相続したことを知った日から3年以内に登記!」とし、「正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります」と案内しています。さらに、令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産は、令和9年(2027年)3月31日までに登記する必要がありますとされています。つまり、令和6年4月1日より前に相続を知っていた不動産——名義が親・祖父母のままという実家にも、令和9年3月31日という期限があります(起点は「相続したことを知った日」です)。
遺産分割についても、法務省は「遺産分割を早期に進めましょう」と呼びかけており、令和3年の民法改正で早期の遺産分割を促すための新たなルールが導入されました(令和5年4月1日開始)。相続開始から長く放っておくと、話し合いの前提そのものが変わり得る、ということです。詳しくは相続登記の義務化とは?、共有名義の実家については実家が兄弟の共有名義に…そのままで大丈夫?もご覧ください。
出典: 法務省 相続登記の申請義務化/法務省 不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~/法務省 所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し
片付けを「先に全部」やらない方がよい場合がある
②の片付けは、実家じまいでいちばん気持ちの負担が大きい作業です。それだけに、そこから始めて力尽きてしまうケースがあります。加えて、次の点にご注意ください。
- 権利や税金の書類が家の中にある — 権利証(登記識別情報)、遺言書、通帳、保険証券、購入時の契約書や領収書などは、相続手続や売却後の税金の計算で使うことがあります。まとめて処分してしまうと戻せません。まずは書類と貴重品だけを先に探す日を作るのが安全です
- 相続人全員の合意が要る場合がある — 家財も相続財産に含まれるのが一般的です。分割の話し合いが終わっていない段階で大量に処分すると、後でもめる原因になることがあります(個別の扱いは弁護士にご確認ください)
- 売り方によっては、片付けや解体の"程度"が変わる — 「家ごと売る」「更地にして売る」「そのまま買主に引き渡す」で、どこまで片付けるかは変わります。出口の見通しが立ってから範囲を決めると、費用のムダを抑えやすくなります
「先に解体」も、いったん止まって確認を
古い実家では「まず解体して更地に」と考えがちですが、税制の特例には要件と期限があります。相続した空き家を売ったときの3,000万円の特別控除は、国税庁のタックスアンサーによれば、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売ること、昭和56年5月31日以前に建築されたこと、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であることなどが要件とされています。また、令和6年1月1日以後に行う譲渡で、被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は、控除額は2,000万円までとされています。家屋の取壊しをいつ・誰が行うかによって扱いが変わり得るため、解体を決める前に、要件と自分のケースの当てはまりを税務署や税理士に確認するのが確実です。
出典: 国税庁 タックスアンサーNo.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
片付け・遺品整理を頼むときの確認点
家庭から出る不用品は一般廃棄物にあたります。環境省は、「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の『一般廃棄物処理業許可』や委託が必要です」としたうえで、無許可の回収業者について「不法投棄、不適正処理、不適正な管理による火災などの事例が報告されています」「高額な処理料金を請求された事例もあります」と注意を呼びかけています。そして「処分方法が分からないときは、ご遠慮なくお住まいの市区町村にお問合せください」と案内しています。
依頼先を選ぶときは、次を確認しておくと安心です。
- 市町村の許可や委託があるか(不明なときは、実家のある市町村の廃棄物担当課に聞けます)
- 見積りが書面で、追加費用の条件が書かれているか
- 何を残し、何を処分するかを先に決められているか(書類・貴重品・形見分けの分別)
出典: 環境省 廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!/環境省 引越時に発生する廃棄物の取扱いについて
どこに何を頼むか(振り分けの目安)
「実家じまい」を丸ごと引き受ける窓口を探すより、作業ごとに専門が違うことを知っておく方が、遠回りになりにくくなります。
| 困っていること | 主な担当 |
|---|---|
| 相続人が誰か分からない/戸籍を集めたい | 司法書士・行政書士、法務局(相続手続の案内) |
| 名義を変えたい(相続登記) | 司法書士、法務局 |
| 相続人の間で話がまとまらない | 弁護士 |
| 相続税がかかるか知りたい/売却後の税金 | 税理士、税務署 |
| 家財・遺品の処分 | 市町村の廃棄物担当課、許可を受けた事業者 |
| 建物の状態や境界が不安 | 建築士・ホームインスペクション、土地家屋調査士(境界) |
| 売る・貸すの見通しと価格 | 宅地建物取引業者 |
| 解体したい/補助金はあるか | 解体工事業者、市町村の空き家担当課 |
| そもそも売る・貸す・残すを決めかねている | 宅地建物取引業者、市町村の空き家担当課(比較検討の段階から相談できる窓口) |
相続全般の相談先の選び方は相続の相談は誰にすればいい?、出口の決め方は実家は「売る・貸す・残す」どれがいい?、片付けから売却までの具体的な手順は実家の片付け(遺品整理)から売却までで解説しています。
滋賀で最初に使える公的な窓口
- 実家のある市町の空き家担当課 — 空き家の相談、解体や改修の補助制度、空き家バンクの案内。補助金は市ごとに内容も受付期間も違い、先着順や予算上限で期日前に終わることもあるため、検討時にその市のページで受付状況を確認してください
- 法務局(登記の手続案内) — 相続登記の手続や必要書類の案内。実家のある市町を管轄する法務局は、法務局ホームページの管轄のご案内で確認できます
- 市町村の廃棄物担当課 — 家財の出し方、許可業者の確認
- 税務署 — 相続税や譲渡所得の申告についての一般的な相談
滋賀県内の空き家の全体像は滋賀で相続した実家が空き家になったら、解体費の補助制度は実家の解体費に使える補助金は?にまとめています。
京都府にお住まいのGさん(仮名)は、滋賀の実家の片付けから始めようとしていましたが、名義が亡くなったお父様のままであることが分かりました。そこでまず書類と貴重品だけを探す日を設け、並行して相続人と名義の確認を進め、方針が決まってから家財の整理と売却の準備に入る、という順番に切り替えました。※事例は個人が特定されないよう再構成したものです。ご家庭の事情や市町村の制度によって進め方は異なります。
まとめ
- 「実家じまい」は、①人と名義 ②物(片付け) ③建物と土地の出口という、担当も進め方も違う3つの作業の総称です
- 入口は片付けではなく、相続人・遺言・名義の確認です。相続登記は2024年4月1日から申請が義務化され、それ以前に相続したことを知った不動産は2027年(令和9年)3月31日までとされています(法務省)
- 片付けは、書類と貴重品を先に。全部を片付けてから出口を考えるより、出口の見通しを持ってから範囲を決める方が費用のムダを抑えやすくなります
- 解体は「決める前に確認」。空き家の3,000万円特別控除は、令和9年12月31日までの譲渡であること、昭和56年5月31日以前の建築であることなどの要件があります。令和6年1月1日以後の譲渡で、取得した相続人の数が3人以上である場合は控除額が2,000万円までとされている点にもご注意ください(国税庁)
- 片付けを頼むときは、市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託の有無を確認してください(環境省)
登記は司法書士または法務局、もめごとは弁護士、税金は税理士または税務署、廃棄物は市町村が専門の窓口です。株式会社BATONは滋賀県草津市で、実家の現地確認・片付けの段取り(許可を受けた事業者の手配・日程調整のお手伝いであり、当社自身が廃棄物の収集運搬・処分を行うものではありません)・査定・売却・解体の見積り取得といった不動産まわりをお手伝いし、必要に応じて各専門家におつなぎしています。
「何から始めればいいか分からない」という段階のご相談で構いません。ご相談は無料です。
よくある質問
Q. 実家じまいは何から始めればいいですか?
片付けより先に、相続人が誰か・遺言があるか・不動産の名義がどうなっているかの確認から始めるのが基本です。売る・貸す・解体するといった判断は所有者でなければできないためです。相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されています(法務省)。
Q. 片付けと相続手続は、どちらを先にすべきですか?
権利証・遺言書・通帳・購入時の契約書などは相続手続や売却後の税金で使うことがあるため、まず書類と貴重品を探すことをおすすめします。家財も相続財産に含まれるのが一般的であるため、遺産分割の話し合いが終わる前に大量に処分すると、後で問題になることがあります(個別の扱いは弁護士にご確認ください)。
Q. 古い実家は、先に解体した方がいいですか?
一概には言えません。相続した空き家を売ったときの3,000万円の特別控除には、譲渡の期間(令和9年12月31日まで)や建築時期(昭和56年5月31日以前)などの要件があり、家屋の取壊しの時期や方法によって扱いが変わり得ます。また、令和6年1月1日以後の譲渡で、取得した相続人の数が3人以上である場合は控除額が2,000万円までとされています。解体を決める前に税務署や税理士にご確認ください(国税庁タックスアンサーNo.3306)。
Q. 遺品整理業者はどう選べばいいですか?
家庭から出る不用品は一般廃棄物にあたります。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託が必要であるとし、無許可業者による不法投棄や高額請求の事例に注意を呼びかけています。許可や委託の有無、書面の見積り、追加費用の条件を確認してください。
Q. 遠方に住んでいても実家じまいはできますか?
手続や立会いのために現地へ行く場面はありますが、事前に順番と依頼先を決めておけば、滞在の回数をまとめやすくなります。実家のある市町の空き家担当課や法務局など、先に電話で確認できることも多くあります。
※本記事は2026年9月24日時点で公表されている法務省・国税庁・環境省の情報に基づく一般的な解説であり、個別の事案に対する法務・税務上の助言ではありません。相続登記の手続は司法書士または法務局、個別の法的な判断は弁護士、税金の取扱いは税理士または税務署、廃棄物の出し方や事業者の許可はお住まい・実家のある市町村にご確認ください。補助金や受付期間は市町ごとに異なり、変更されることがあります。実家の現地確認・片付けの段取り・査定・売却・解体の見積り取得など不動産に関する部分は株式会社BATONがお受けし、必要な専門家におつなぎします。
出典: 法務省 相続登記の申請義務化/法務省 不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~/法務省 所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し/国税庁 タックスアンサーNo.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例/環境省 廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!/環境省 引越時に発生する廃棄物の取扱いについて/法務局 管轄のご案内
