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不動産売却

使わない土地を手放したい|草津市・滋賀での「出口」5つ — 山林・遊休地・農地の選択肢と、低未利用土地の100万円控除(都市計画区域内)【2026年9月時点】

公開日: 2026年9月8日|執筆: 株式会社BATON(相続と実家の相談室【滋賀県】)

使われていない土地と、手放すための選択肢

「親から引き継いだ山と畑があるのですが、行ったこともないんです。手放したいのに、不動産屋さんに相談したら『うちでは扱えません』と言われてしまって」——滋賀県内でご相談をお受けしていると、こうしたお話をうかがうことがあります(ご相談内容をもとに再構成した一般的な例です)。土地を「買いたい」人のための情報は、ネットにいくらでもあります。ところが「手放したい」側の情報は、制度ごとにばらばらで、まとまった形では見つけにくいのが実情です。けれども、出口は1つではありません。この記事では、①売る ②譲る ③国に引き取ってもらう ④相続放棄 ⑤持ち続ける、という5つの出口を並べて、それぞれの条件・費用・相談先を整理します。

出口を選ぶ前に、確かめておく3つのこと

どの出口を選ぶにしても、最初に手元で確認しておくと話が早く進むことが3つあります。

「登記事項証明書がどこにあるか分からない」という状態でも大丈夫です。ご自身が全国にどれだけ不動産を持っているかを一覧にできる制度も2026年2月に始まっています(詳しくは所有不動産記録証明制度とは?で整理しています)。

出口①「売る」——まず試す価値があるのは隣地です

最初の出口は売却です。方法は3つあります。

  1. 仲介 — 不動産会社に買主を探してもらう。買主が見つかるまで時間がかかります
  2. 買取 — 不動産会社が直接買い取る。金額は仲介より下がりますが、時期が読めます
  3. 隣地の方への売却 — 市場では買い手が付きにくい土地でも、隣の方であれば買い手になり得ることがあります

3つ目は見落とされがちですが、大切な視点です。市場では値がつきにくい細長い土地や小さな土地でも、隣地の方にとっては「自分の敷地が広がる」「道路付けが良くなる」といった価値が生まれる場合があるためです。

ただし、隣地の方に取得の意向と資力がなければ成立しません。必ず成立する方法ではない点はご承知おきください。

「低未利用土地等の100万円控除」を知っておく

売却額が小さい土地には、譲渡所得から最大100万円を控除できる特例があります(譲渡所得の金額が100万円に満たない場合は、その金額が控除額になります)。国税庁の説明では、令和2年7月1日から令和10年12月31日までの譲渡が対象で、主な要件は次のとおりです。

出典: 国税庁 No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除(令和8年4月1日現在法令等)

「安くしか売れない土地」だからこそ使える特例だと考えていただくと分かりやすいと思います。ただし要件の筆頭が「都市計画区域内」であることには注意が必要です。都市計画区域の外にある山林などは、この特例の対象になりません。

草津市の場合——確認書は都市計画課で、7〜10営業日かかります

この特例を使うには、土地の所在地の市区町村長が発行する確認書が必要です。草津市の窓口を市の公式情報で確認しました。

項目草津市の場合
窓口都市計画部 都市計画課 計画係(市役所4階)/電話 077-561-2375
主な必要書類申請書、売買契約書の写し、低未利用要件を確認できる書類、譲渡後の利用を確認する書類、登記事項証明書
郵送書類の提出は原則として郵送では受け付けていない(特別困難な事情がある場合は要相談)。受取を郵送で希望する場合は、提出時に切手を貼り送付先を記載した封筒を併せて提出
交付までの日数7営業日から10営業日程度(書類に不備がある場合等はさらにかかることがあります)

出典: 草津市 低未利用土地等の譲渡所得に係る特例措置に必要な確認書の発行について(ページ更新日 2023年6月28日)

ここで実務上のポイントが3つあります。ひとつは、交付に7〜10営業日かかること。確定申告の直前に動くと間に合わないおそれがあります。ふたつ目は、草津市が「低未利用土地等確認書は、特例措置を確約するものではありません」と明示していること。確認書が出れば必ず特例が使える、というものではありません。3つ目は、上の草津市のページは更新日が2023年6月28日で、適用期間や金額の要件は国税庁の最新情報のほうが新しい点です。

税額や適用の可否の判断は税理士または税務署に、確認書の様式と必要書類は都市計画課にご確認ください。

出口②「譲る」——自治体への寄付は、受け入れの可否から確かめます

「お金はいらないから、引き取ってほしい」というご相談もよくいただきます。

隣地の方に譲るのは現実的な選択肢です。ただし無償で譲る場合、もらった側に贈与税がかかることがあります。また、譲渡代金が0円でも、所有権移転登記の費用や境界確定の費用は別途かかります。税額の判断は税理士または税務署にご確認ください。

自治体への寄付については、誤解が広がっている部分です。土地の寄付を必ず受け入れなければならないと定めた全国共通の仕組みはなく、受け入れるかどうかや条件は市町村ごとの判断になります。まずは市の担当課に、可否そのものを確認するところからです。

空き家バンクも、対象を確かめてから使ってください。草津市の「空き家情報バンク」に登録できるのは、市の説明によれば個人が居住を目的として所有し、現に居住していない(近く居住しなくなる予定のものを含む)市内に存在する建物およびそれに付属する物件(共同住宅・長屋を除く)です。登録費用は不要、登録期間は2年(再登録も可)で、窓口は建築政策課住まい政策係(4階・077-561-1502)。つまり建物のない土地だけを登録する制度ではないことになります。なお、売買・賃貸借の契約が成立した際は、宅地建物取引業者への媒介手数料が必要とされています。

出典: 草津市空き家情報バンク

出口③「国に引き取ってもらう」——相続土地国庫帰属制度

相続または相続人に対する遺贈で取得した土地に限られますが、国に引き取ってもらう制度が2023年に始まっています。

出典: 法務省 相続土地国庫帰属制度の概要/法務省 相続土地国庫帰属制度の負担金/法務省 相続土地国庫帰属制度に関するQ&A

「タダで引き取ってもらえる制度」ではなく、手数料と負担金を払って、将来の管理責任を国に引き継いでもらう制度です。いきなり申請するより、法務局の事前相談で見込みを確かめる順番が現実的です。

制度の詳細・統計・申請の流れは相続した山林・使わない土地を手放すには?相続土地国庫帰属制度・売却・寄付の違いで整理しています。

出口④「相続放棄」——出口ではなく、時期の違う別の選択です

相続放棄は「相続人としての地位そのものを手放す」手続きで、負担になる土地だけを放棄して、預貯金や自宅は受け取る、という使い分けはできません。

裁判所の説明では、相続の放棄の申述は自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないとされています。したがって、遺産分割や相続手続を済ませた段階に進んでいる方の場合、相続放棄は選択肢になりにくくなります。もっとも、その3か月の起算点や、どこまでの行為をすると放棄できなくなるかは事案によって判断が分かれます。

また、放棄をした場合でも、放棄の時にその財産を現に占有していたときは、他の相続人等に引き渡すまで保存の義務を負うとされています(民法第940条第1項)。「放棄すれば土地と一切関係がなくなる」とは限らない、という点は知っておいてください。

ご自身が放棄できる状況かどうかの判断は、弁護士または家庭裁判所にご確認ください。

出典: 裁判所 相続の放棄の申述/民法第940条第1項

出口⑤「持ち続ける」——コストを数字にしてから決める

「結局そのまま」を選ぶこと自体は悪くありません。問題は、そのコストを知らないまま選んでしまうことです。

出典: 国土交通省 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報

なお滋賀県は、株式会社クラッソーネと「空家等の除却促進に関する連携協定」を締結し、同社が提供する解体費用・解体後の土地売却価格などを試算できる無料ツール(「すまいの終活ナビ」等)を県のページで紹介しています。まず概算をつかむのには便利ですが、ツールによっては氏名・メールアドレス・電話番号の入力が必要です。

出典: 滋賀県 空き家の解体・売却で迷っている方へ

田・畑は扱いが別になります

農地は農地法の手続きが関わり、売る相手にも制限があります。地目が田・畑の土地については相続した農地・田んぼが耕作できないときをご覧ください。

5つの出口を並べて比べる

出口費用の向き主な条件相談先
①売る(仲介・買取・隣地)入ってくる買い手がいること。境界の確定不動産会社。税の特例は税理士・税務署、確認書は市
②譲る(隣地・自治体)譲渡代金は0円でも、登記費用・境界確定費用は別途(受け取る側に贈与税がかかることも)相手の受け入れ相手方・市の担当課。税は税理士・税務署
③相続土地国庫帰属出ていく(手数料14,000円/筆+負担金 20万円が基本。却下・不承認でも手数料は返還されません。ほかに境界確定・書類作成の実費が別途)相続等で取得。建物なし・境界明確 等法務局(事前相談)
④相続放棄出ていく(申述費用)相続を知ってから原則3か月以内。他の財産も放棄弁護士・家庭裁判所
⑤持ち続ける毎年出ていく—管理の相談は不動産会社・管理業者

費用の向きが違うという点だけでも、並べて見る価値があります。①だけが「入ってくる」出口です。売れる可能性がわずかでもあるなら、③④より先に①を確かめる順番が合理的です。

事例:山林と畑を相続されたケース(仮名)
草津市内にお住まいのCさん(仮名)は、県内の山林と畑を相続されました。複数の不動産会社に断られた後にご相談に来られましたが、まず登記事項証明書と課税明細で地目と区域を整理したところ、山林の一部が隣接する土地の所有者にとって使い道のある形であることが分かりました。畑については農地法の手続きが必要なため、別の道筋で検討することになりました。※事例は個人が特定されないよう再構成したものです。土地の条件によって結果は異なり、必ず出口が見つかるわけではありません。

まとめ

税額の判断は税理士または税務署、登記は司法書士または法務局、相続放棄は弁護士または家庭裁判所が専門です。株式会社BATONは滋賀県草津市で、一般の不動産会社で「扱えない」と言われた土地のご相談をお受けし、査定・買取・活用・売却の部分を担当しながら、必要な専門家におつなぎしています。

「この土地、どの出口なら通りそうか」だけでも構いません。ご相談は無料です。

よくある質問

Q. 不動産会社に「うちでは扱えない」と断られた土地でも、相談できますか?

はい。断られた理由(接道がない、境界が不明、山林・農地である、価格がつかない等)によって、次に確かめるべきことが変わります。まず地目・区域・境界を整理するところからお手伝いします。ただし土地の条件によっては、出口が見つからない場合もあります。

Q. 使わない土地は、市に寄付できますか?

土地の寄付を必ず受け入れなければならないと定めた全国共通の仕組みはなく、受け入れの可否や条件は市町村ごとの判断になります。まずは市の担当課に、受け入れの可否そのものをご確認ください。

Q. 草津市の空き家情報バンクに、更地の土地を登録できますか?

草津市の説明では、登録できるのは個人が居住を目的として所有し、現に居住していない(近く居住しなくなる予定のものを含む)市内の建物およびそれに付属する物件(共同住宅・長屋を除く)とされています。登録費用は不要ですが、売買・賃貸借の契約が成立した際は宅地建物取引業者への媒介手数料が必要です。登録期間は2年で、再登録もできます。詳しくは建築政策課住まい政策係(077-561-1502)にご確認ください。

Q. 低未利用土地の100万円控除は、いくらまでの売却なら使えますか?

国税庁の説明では、売った金額が土地の上にある建物等の対価を含めて500万円以下であることが要件で、市街化区域、区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域のうち用途地域が定められている区域、所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域では800万円以下とされています。ほかにも都市計画区域内であること、所有期間が5年超であること、譲渡後にその土地が利用されることなどの要件があります。適用の可否の判断は税理士または税務署にご確認ください。

Q. 山林でも100万円控除は使えますか?

この特例は「都市計画区域内にある低未利用土地等」であることが要件とされています。都市計画区域の外にある山林は対象になりません。ご自身の土地が都市計画区域内かどうかは市の都市計画担当課で、特例の適用可否は税理士または税務署にご確認ください。

Q. 確認書はどれくらいで出ますか?

草津市の場合、交付までは7営業日から10営業日程度とされています(書類に不備がある場合等はさらにかかることがあります)。書類の提出は原則として郵送では受け付けていないとされていますので、確定申告や決済の日程から逆算して動いてください。なお市は「確認書は特例措置を確約するものではない」としています。

Q. 相続土地国庫帰属制度を使えば、必ず引き取ってもらえますか?

いいえ。建物がある土地、境界が明らかでない土地、担保権等が設定されている土地などは申請の段階で却下されます。また、申請できた場合でも、崖がある、地上・地下に有体物があるなど管理に過分な費用がかかる土地は、審査の結果として承認されない(不承認)ことがあります。承認された場合も審査手数料(一筆14,000円)と負担金(20万円が基本)がかかり、却下・不承認となっても審査手数料は返還されません。まず法務局の事前相談で見込みを確かめる順番をおすすめします。

※本記事は2026年9月8日時点で公表されている国税庁・法務省・裁判所・国土交通省・滋賀県・草津市の情報に基づく一般的な解説であり、個別の事案に対する法務・税務上の助言ではありません。税額や特例の適用の可否は税理士または税務署、登記手続は司法書士または法務局、相続放棄は弁護士または家庭裁判所、農地の手続は農業委員会にご確認ください。確認書の様式・必要書類は草津市都市計画課にご確認ください。査定・買取・活用・売却の段取りなど不動産に関する部分は株式会社BATONがお受けし、必要な専門家におつなぎします。制度は改正されることがあります。
出典: 国税庁 No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除/草津市 低未利用土地等確認書の発行について/草津市空き家情報バンク/法務省 相続土地国庫帰属制度の概要/法務省 同 負担金/法務省 同 Q&A/裁判所 相続の放棄の申述/国土交通省 空家等対策特別措置法関連情報/滋賀県 空き家の解体・売却で迷っている方へ

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