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税金

実家を売って「3,000万円控除」を使うには|市役所で取る"被相続人居住用家屋等確認書"と2027年末の期限【滋賀・草津/大津】

公開日: 2026年9月1日|執筆: 株式会社BATON(相続と実家の相談室【滋賀県】)

相続した実家の売却と3,000万円特別控除の手続き

「実家を売ったら税金がかかると聞いたけれど、3,000万円まで控除される制度があるらしい」——ご相談の中で、この特例のお名前だけはご存じの方が増えました。ただ、そこから先でつまずく方がとても多いのです。理由は2つあります。ひとつは、確定した期限が令和9年(2027年)12月31日までの譲渡であること。もうひとつは、この控除を受けるために税務署ではなく市役所で取る書類があり、その存在を売却が終わってから知るケースがあることです。この記事では、制度の要件と、見落とされがちな「被相続人居住用家屋等確認書」の実務、そして2026年8月末に出たばかりの"延長の要望"について整理します。

まず、確定している期限は「令和9年12月31日」

正式には「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」といいます。国税庁の説明では、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間に売って一定の要件に当てはまるとき、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できるとされています。

もうひとつ、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までという時計も同時に動きます。たとえば2024年に相続が発生した実家なら、2027年12月31日が期限です。2つの期限のうち、先に来るほうが実際の締切になります。

主な要件は次のとおりです(いずれも国税庁タックスアンサーNo.3306より)。

被相続人が老人ホーム等に入所していた場合も、要介護認定等の一定の要件を満たせば「居住の用に供されなくなる直前まで居住していた家屋」として対象になり得ます。

出典: 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(令和7年4月1日現在法令等)

見落とされやすいのが「確認書」——これは市役所で取ります

確定申告の際、この特例では売った不動産の所在地を管轄する市区町村長から交付を受けた「被相続人居住用家屋等確認書」を添付することになっています。

つまり、税務署に行く前に市役所での手続きがもう一つ挟まるということです。ここを知らずに年末ぎりぎりで売却を終え、確定申告の直前に慌てて市役所へ駆け込む——という流れが、実務では起こりがちです。

確認書は税務署ではなく、実家がある市区町村が出す書類です。売却のスケジュールを組むときは、この1枚を取る時間もあらかじめ数えておいてください。

申請書の様式は譲渡の時期と、何を譲渡するかで分かれます。草津市・大津市はいずれも令和6年1月1日以後の譲渡について、次の3種類を案内しています。

ご自身のケースがどれに当たるかで、求められる添付書類も変わります。

滋賀県内の窓口の実際(2026年9月1日時点)

同じ書類でも、担当課・手数料・所要日数は市によって違います。当相談室の主戦場である2市を、市の公式ページから確認した内容で並べます。

草津市大津市
担当都市計画部 建築政策課 住まい政策係都市計画部 住宅政策課(市役所本館3階)
電話077-561-1502077-528-2899
手数料1通350円(草津市手数料条例第2条の規定による)1通300円(大津市手数料条例による)
申請方法市の案内に沿って申請窓口・郵送のいずれも可
交付までの日数ページに記載なし提出から交付まで1週間程度
ページ更新日2024年1月1日2026年5月1日

出典: 草津市 空き家の発生を抑制するための特例措置について大津市 空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除について

大津市が「1週間程度」と明記しているとおり、確認書は即日で出るものではありません。加えて、必要書類として被相続人の住民票除票、相続人の住民票、売買契約書、登記事項証明書、電気・水道など公益事業者の使用中止日がわかる書類、相続人が複数の場合は遺産分割協議書などが求められます。「空き家であったこと」を書類で示す必要がある、と考えていただくと分かりやすいと思います。

様式・手数料・必要書類の運用は、市町村によって異なります。ここに挙げたのは草津市・大津市の例です。必ず不動産の所在地の市町村にご確認ください。

「4年延長」の要望が出ました——ただし、決まるのは12月です

2026年8月28日、国土交通省が令和9年度税制改正要望を公表し、この特例について次の3点を要望項目に挙げました。

  1. 現行の特例措置を4年間(令和10年1月1日〜令和13年12月31日)延長する
  2. 対象家屋の築年要件(現行:昭和56年5月31日以前に建築)を緩和する
  3. 「相続・遺贈と同視し得る民事信託契約の終了に伴い家屋・敷地等を取得した場合」を対象に追加する

背景として国交省は、制度創設から10年が経過し、新耐震基準を満たすような相続空き家であっても腐朽・破損のあるものが増加していること、空き家の58%が相続によって取得されたものであること(同省「令和6年空き家所有者実態調査」)を挙げています。

ここで大切なのは、これは「要望」であって「決定」ではないということです。実際に延長されるかどうか、内容がどうなるかは、例年12月に公表される与党税制改正大綱で決まります。したがって現時点では、確定している期限は令和9年12月31日のまま対象となる家屋は昭和56年5月31日以前に建築されたもののままです。「延長されるらしいから、まだ動かなくていい」という判断は、いまの段階ではおすすめできません。

出典: 国土交通省 令和9年度国土交通省税制改正要望事項(PDF)国土交通省 令和9年度税制改正(掲載日: 令和8年8月28日)

逆算すると、いつ動けばいいのか

売却は、話がまとまってから引渡しまでに数か月かかることが珍しくありません。取壊しを選ぶ場合は、解体業者の見積り・工事・滅失登記の時間も乗ります。そこに確認書の交付が加わります。期限から逆算するときは、少なくとも次の工程を数えておくと安全です。

  1. 相続登記(名義を相続人に移す) — 引渡し・決済までに相続人名義になっている必要があり、実務上ここが最初の関門になります
  2. 家財の片付け・残置物の処分
  3. 査定・媒介契約・買主探し・売買契約・引渡し
  4. (取り壊す場合)解体工事と建物滅失登記
  5. 市役所で被相続人居住用家屋等確認書を取得
  6. 譲渡した年の翌年に確定申告

相続登記の期限や過料については相続登記の義務化とは?期限・罰則・手続きを解説、片付けから売却までの段取りは実家の片付け(遺品整理)から売却まで、解体費の補助制度は実家の解体費に使える補助金は?で整理しています。

事例:確認書の存在を先に知っていたケース(仮名)
草津市内の実家を相続されたAさん(仮名)は、売却のご相談に来られた時点で「控除を使いたい」とお考えでした。打ち合わせの中で確認書の手続きがあることを早めに共有できたため、必要書類のうち被相続人の住民票除票と公共料金の使用中止がわかる資料を、片付けと並行して集めておくことができました。書類集めを売却の後工程に回さずに済んだ、という点が実務上の違いです。※事例は個人が特定されないよう再構成したものです。適用の可否や税額はご事情によって異なります。

まとめ

制度を使えるかどうかは、家屋の建築時期・相続の状況・売り方によって変わります。具体的な適用の可否や税額の判断は、税務署または税理士へのご確認が必要です。株式会社BATONは滋賀県草津市で、相続した実家の相続登記の段取り・片付け・査定・買取・売却をお受けしています。税務は税理士、登記は司法書士など、それぞれの専門家におつなぎしながら進めます。

「うちの実家は対象になるのか」「期限まで間に合うのか」——その見立てだけでも、お気軽にご相談ください。ご相談は無料です。

よくある質問

Q. 被相続人居住用家屋等確認書はどこでもらえますか?

売った不動産の所在地を管轄する市区町村が交付します。税務署ではありません。草津市は都市計画部 建築政策課 住まい政策係(077-561-1502)、大津市は都市計画部 住宅政策課(077-528-2899)が窓口として案内されています。

Q. 確認書の手数料はいくらですか?

草津市は1通350円(草津市手数料条例第2条の規定による)、大津市は1通300円と各市の公式ページに記載されています(2026年9月1日時点)。手数料・様式・必要書類の運用は市町村によって異なりますので、不動産の所在地の市町村にご確認ください。

Q. 相続登記がまだ終わっていないのですが、間に合いますか?

売買を進めるには、引渡し・決済までに名義が相続人に移っている必要があります。相続登記そのものにも申請義務があり期限が定められていますので、まずは現在の登記の状態を確認するところから始めるのが実務的です。

Q. マンションでも使えますか?

区分所有建物登記がされている建物は対象外とされています。判断は物件の呼び方ではなく、登記の内容によります。

Q. 相続してから一度人に貸していました。使えますか?

国税庁の説明では、相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないことが要件とされています。実際の適用可否の判断は税務署または税理士にご確認ください。

Q. 延長されるなら急がなくてもよいのでは?

2026年8月28日に公表されたのは国土交通省の令和9年度税制改正「要望」です。決定は例年12月の与党税制改正大綱で行われます。現時点で確定している適用期限は令和9年12月31日までの譲渡、対象家屋は昭和56年5月31日以前に建築されたもののままです。

※本記事は2026年9月1日時点で公表されている国税庁・国土交通省・草津市・大津市の情報に基づく一般的な解説であり、個別の事案に対する税務・法務上の助言ではありません。制度は改正されることがあり、自治体の手数料・様式・必要書類は変更される場合があります。適用の可否・税額の判断は税務署または税理士、登記手続は司法書士など、それぞれの専門家にご確認いただくか、当相談室へご相談ください。
出典: 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置国土交通省 令和9年度国土交通省税制改正要望事項国土交通省 令和9年度税制改正草津市 空き家の発生を抑制するための特例措置について大津市 空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除について

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