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空き家

滋賀で相続した実家が空き家になったら|管理・売却・解体・活用の判断と、公的窓口でできること・できないこと【2026年8月時点】

公開日: 2026年8月25日|執筆: 株式会社BATON(相続と実家の相談室【滋賀県】)

相続した実家について家族で話し合う

「実家を相続したものの、誰も住まないまま一年が過ぎてしまった」——滋賀県内で相続のご相談をお受けしていると、こうしたお話をうかがうことがあります(ご相談内容をもとに再構成した一般的な例です)。困っておられるのは、たいてい「どうしたいか」ではなく「何から手をつければいいのか」のほう。調べれば調べるほど窓口の名前が増えていって、かえって動けなくなる。この記事では、滋賀県内で実家が空き家になったときに考えることを、①先に効いてくる期限 → ②公的な相談窓口でできること → ③そこから先に残る空白 → ④4つの選択肢の選び方という順番で、一枚に整理します。

まず押さえるのは「選択肢」より「期限」

売る・貸す・解体する——選択肢を比べる前に、先に時計が動いているものがあります。滋賀県に限らず全国共通の話ですが、放っておくと選択肢そのものが減るため、最初に置きます。

(1) 相続登記の申請義務 — 過去の相続分は2027年3月31日まで

2024年4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務になりました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象とされています。施行前に発生していた相続についても、2027年3月31日までという猶予期限が設けられています。

出典: 法務省 相続登記の申請義務化特設ページ

制度の詳細は相続登記の義務化とは?期限・罰則・手続きを解説で整理しています。

(2) 「管理不全空家」の勧告 — 受けると土地の固定資産税の軽減が外れる

住宅が建つ土地には、固定資産税の課税標準を軽減する「住宅用地の特例」があります。総務省の説明によれば、小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)は課税標準が価格の6分の1、それを超える一般住宅用地の部分は3分の1とされています。

しかし空家等対策特別措置法により、「特定空家」に加え、2023年12月13日に施行された改正法で新設された「管理不全空家」として勧告を受けると、この特例の対象から除外されます。窓が割れている、雑草が生い茂っているといった「放置すれば特定空家になるおそれのある状態」でも対象になり得ます。

出典: 国土交通省 空家等対策特別措置法関連情報総務省 固定資産税の概要

放置がもたらす影響は空き家を放置すると起こる7つのリスクと対策でまとめています。

(3) 売却を考えるなら、税制の特例にも期限がある

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除は、国税庁の説明によれば、平成28年4月1日から令和9年(2027年)12月31日までの間に売った場合が対象とされています。これとは別に、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることという要件もあります。

さらに、令和6年1月1日以後の譲渡で、相続または遺贈により取得した相続人が3人以上いる場合、控除額は2,000万円とされています。「3,000万円まで大丈夫」と聞いていた方が、人数によって金額が変わることをご存じないケースは少なくありません。家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること、売却代金が1億円以下であることなども要件です。適用の可否は個別の事情で変わりますので、税務の判断は必ず税理士にご確認ください

出典: 国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置

2027年は、期限が2つ重なる年です。相続登記の猶予期限(3月31日)と、空き家の3,000万円特別控除の適用期限(12月31日)。今から逆算すると、動ける時間は思っているより短いかもしれません。

滋賀県の公的な相談窓口で「できること」

「まず公的な窓口に」というお考えは、とても健全です。滋賀県内には、無料で相談できる公的・準公的な窓口が実際に用意されています。

窓口内容連絡先
各市町の空き家担当課空き家全般。補助金・空き家バンク・適正管理の指導など草津市 建築政策課 077-561-1502 ほか、県内19市町すべてに窓口
(公社)滋賀県宅地建物取引業協会「空き家無料相談所」空き家の活用(売買・賃貸)に関する相談077-524-5456(平日9:00〜17:00)
(公社)滋賀県建築士会空き家全般(劣化診断・リフォーム・解体)077-522-1615
滋賀県 交通まちづくり部住宅課県全体の問い合わせ窓口077-528-4235

出典: 滋賀県 県内の空き家相談窓口

滋賀県宅建協会の空き家無料相談所は、協会会員に従事する宅地建物取引士を「空き家相談員」として認定し、相談自体は無料で受け付けているものです(11市町と協定を締結/令和7年12月現在)。ただし「売却の依頼等、相談員に仕事を依頼する場合は必要な経費がかかります」との但し書きもあります。

出典: 滋賀県宅地建物取引業協会 空き家無料相談所

このほか、滋賀県は空き家バンクを市町ごとに一覧で案内しています(県内19市町すべてに設置。例: 草津市 077-561-2378、守山市 077-582-1162、甲賀市 0748-69-2214)。また、県は株式会社クラッソーネと「空家等の除却促進に関する連携協定」を結び、滋賀県版「すまいの終活ナビ」として、土地建物の面積や最寄り駅、接する道の幅などを入力すると解体費用と解体後の土地の売却価格の概算を試算できるサービスを案内しています(利用には名前・メールアドレス・電話番号の入力が必要です)。

出典: 滋賀県 空き家バンクのご案内滋賀県版「すまいの終活ナビ」

それでも残る、「ここから先」の空白

滋賀の公的窓口は「制度を教えてくれる」「相談に乗ってくれる」ところまでは、かなり手厚く用意されています。一方で、実家が空き家になった方が実際につまずくのは、多くの場合その先です。

前の3つは、市町の窓口でも、協会の無料相談でも、原則として引き受けてもらえる範囲の外側にあります。4つめの相続人どうしの話し合いそのものは、まとまらない場合は弁護士の領域です。制度を知ることと、実家が片付いて名義が整い、次の持ち主に渡ることのあいだには、実務の距離があります。

私たちの立ち位置。株式会社BATONは滋賀県草津市で、相続した実家について片付け・査定・買取・売却をお受けし、税務や登記、相続人間の調整については税理士・司法書士・弁護士など適切な専門家におつなぎするかたちで相談をお受けしています。公的窓口と競合するものではなく、公的窓口で教わった制度を、実際に動かす段階でお使いいただくものとお考えください。

相談先の選び方そのものは、相続の相談は誰にすればいい?専門家と窓口の選び方で整理しています。

「管理・売却・解体・活用」の選び方

期限と窓口を押さえたら、ようやく選択肢の比較です。判断の入口だけ、ここに置いておきます。

選択肢向いている状況先に確認すること
① そのまま管理する相続人の間でまだ方針が決まらない/近く使う予定がある月1回程度の換気・通水・庭木の手入れができるか。遠方なら管理サービスの費用
② 売却する建物がまだ使える/立地に需要がある名義が相続人に移っているか。3,000万円特別控除の期限と要件(税理士へ)
③ 解体して更地にする老朽化が進んでいる/建物付きでは買い手がつかない市町の解体補助の受付期間・先着か抽選か・予算枠。更地の状態で1月1日(賦課期日)を迎えると、その年度は住宅用地の特例の対象外となる点(詳細は市町の税務担当課・税理士へ)
④ 活用する(貸す・地域利用)建物の状態がよい/改修費を回収できる見込みがある改修費と想定賃料。市町の活用系補助は「改修」が対象で、解体には使えないことが多い

判断の材料としては、①名義の状態 ②建物の状態 ③相続人の合意 ④期限の4つがそろって初めて比較ができます。逆に言えば、どれか1つでも欠けていると、比較したつもりでも決められません。

まずは最初のひと月ですること

相続直後の全体的な流れは、実家を相続したら最初にやるべき5つのことにまとめています。

まとめ

制度は調べれば分かります。難しいのは、それをご自身の実家に当てはめて、いつ何をするかを決めることのほうです。滋賀県で相続した実家の空き家について迷われたときは、一度ご相談ください。BATONは草津市で、片付けから査定・買取・売却までをお受けしています。ご相談は無料です。お話をうかがったうえで、当社でお引き受けできない内容であれば、適切な窓口・専門家をご案内します。

よくある質問

Q. 滋賀で相続した実家の空き家について、まずどこに相談すればいいですか?

補助金や空き家バンク、適正管理の指導については、お住まいの市町の空き家担当課(草津市であれば建築政策課 077-561-1502)が入口です。滋賀県のページでは県内19市町すべての窓口が案内されています。売買・賃貸の相談は(公社)滋賀県宅地建物取引業協会の「空き家無料相談所」(077-524-5456・平日9:00〜17:00)、劣化診断やリフォーム・解体については(公社)滋賀県建築士会(077-522-1615)が県との協定に基づいて相談を受け付けています。一方で、家財の片付け・査定・買取といった実務は、これらの窓口の対象外となることが一般的です。相続人間の話し合いがまとまらない場合は、弁護士へのご相談が必要になります。

Q. 滋賀県宅建協会の「空き家無料相談所」は本当に無料ですか?

同協会のページによれば、相談自体は無料です。ただし「売却の依頼等、相談員に仕事を依頼する場合は必要な経費がかかります」と記載されています。相談は電話(平日9:00〜17:00)とFAX(24時間受付)で受け付けています。同協会は11市町と協定を締結している(令和7年12月現在)と案内されています。

Q. 空き家を売ると3,000万円が控除されると聞きましたが、誰でも使えますか?

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特別控除には複数の要件があります。家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること、売却代金が1億円以下であること、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどです。また、令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上いる場合、控除額は2,000万円とされています。国税庁の説明では、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間の譲渡が対象とされています。適用の可否は個別の事情によって異なりますので、必ず税理士にご確認ください。

※本記事は2026年8月25日時点で公表されている法務省・国土交通省・国税庁・総務省・滋賀県および関係団体の情報に基づく一般的な解説であり、個別の事案に対する税務・法務上の助言ではありません。制度は改正・運用変更されることがあり、補助金や相談窓口の内容・受付状況は年度によって変わります。税務の適用可否は税理士、登記手続は司法書士、相続人間の紛争は弁護士など、それぞれの専門家にご確認ください。
出典: 法務省 相続登記の申請義務化国税庁 No.3306国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置国土交通省 空家等対策特別措置法関連情報総務省 固定資産税の概要滋賀県 県内の空き家相談窓口滋賀県 空き家バンクのご案内滋賀県版「すまいの終活ナビ」滋賀県宅地建物取引業協会 空き家無料相談所

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